昼提灯 平成16年9月  製  作 新居浜市 葛燉リ 合田武史・一色正寿縫師
 元文字 榎井旗岡 丸尾玉蘭先生
吊り金具


二匹の登り鯉は初代のと同じ題材です。
デザインは若干アレンジされ、より動きのあるものになりました。(真鍮金メッキ)





ちょうさの力強さを表現し、また曲面に刺繍されることを計算に入れ、横長の隷書文字を書いてくれました。
文字のかすれも刺繍でうまく表現できています。


流れるような草書体です。「太以古」という表記は初代の昼提灯と同じです。
                        エピソード

新調した平成16年の組立て時までには一本だけ届けられており、寸法や本体の金具のチェックなどを無事済ませ、後り3本はお祭に間に合うように届く予定であった。
お祭の2日前には完成していたが、例の歴史に残る台風の連続攻撃の中の一つ21号(メアリー)上陸のため、明日でもええですよということにしていたら、なんと台風一過の翌日は新居浜から東への道路が全て土砂崩れのため不通、つまり北四国は完全に分断されていた。

新居浜から土居まで個人の船をチャーターして運ぶことになり、それではこちらからは土居天満港まで取りに行かないかんということになり、とにかく夕方から西へ向かった。
渋滞の11号線を土居に向いて走っている途中、、風が強いうえ港には流木が多いので船が出せなくなったが、とにかくどうにかして土居まで行くとの連絡がはいった。

もう絶体絶命かと観念しかけたが、しばらくて、どうにか通行止めになっていない脇道を通って土居まで来られ、なんとか無事に残り3本を引き取ることができた。
合田氏、一色氏と合田氏のお父さんの3人は、もし自動車が通れなかったら、提灯を抱えて歩いて来る覚悟だったらしい。
今でこそ笑い話だが、是非とも記録しておきたい肝を冷やした出来事である。
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